政治評論家・田﨑史郎氏(75)が、近年「何言っても炎上」とも揶揄される状況に陥っている。特に自民党総裁選における予測の誤り、そしてその後の発言が、ネット上での激しい批判の的となっているのだ。かつては多くのテレビ番組で重用された氏に、一体何が起きているのか。その炎上の背景と、世論の反応を深掘りする。
国民民主党支持率分析での「納得できない」声
田﨑氏の「炎上」が表面化した事例の一つに、10月23日放送の『ひるおび』(TBS系)での国民民主党の支持率に関する分析がある。同番組で田﨑氏は、国民民主党の支持率低下について「吉村さんが国民民主党批判をものすごくやられていたのが大きい。これまで国民民主党を公然と批判する人はいなかった」と私見を述べた。
しかし、この分析に対してネットニュースのコメント欄には、「単純に、全方向で失望する人が多かっただけではないでしょうか」「全然違うでしょ」「あまりそれは関係ないと思う」といった、「納得できない」とする声が殺到。氏のコメントは、視聴者からの強い拒否反応を引き起こし、炎上状態を加速させる一因となった。
テレビ番組で政治解説を行う田﨑史郎氏の姿
自民党総裁選での“小泉進次郎氏当選確実”の大誤算
田﨑氏の炎上発火点として指摘されるのは、何と言っても前回の自民党総裁選での“大誤算”だ。総裁選前、田﨑氏は情報番組やワイドショーに引っ張りだこで、一貫して小泉進次郎氏が総裁選を勝ち抜くと予想し続けた。特に9月30日放送の『ひるおび』では、「議員票でも党員票でも上を行く。この構図が崩れる可能性は低い」「当選確実」とまで豪語していたのである。
しかし、結果は決選投票で小泉進次郎農相(44)を破り、高市早苗前経済安全保障担当相(64)が新総裁に選出されるというものだった。この予測の裏切りに対し、田﨑氏は後に「取材不足だった」と謝罪したが、その後の展開がさらなる批判を呼ぶことになる。
高市早苗氏への「高市サゲ」発言が批判を加速
総裁選後、田﨑氏は高市新総裁に対する不安を繰り返し表明した。例えば、総裁選直後に放送されたテレビ朝日系の『ワイド!スクランブル サタデー』では、「党運営や政権運営がかなり苦労されるんじゃないか」「党全体がちょっとギスギスしそう」などと、“高市サゲ”と取れるコメントを連発。
これらの発言は、ネット上での「田﨑サゲ」の声が急増するきっかけとなった。予測の誤りだけでなく、その後の敗者側を「上げ」、勝者側を「下げる」ようなスタンスが、視聴者からの信頼を大きく損ねてしまったのである。
金子恵美氏による「やりすぎ」発言の決定打
決定打となったのは、元衆議院議員で現在はテレビコメンテーターとして活躍する金子恵美氏(47)の発言だ。10月8日に自身のYouTubeチャンネル『金子恵美チャンネル』でジャーナリストの須田慎一郎氏と対談した際、総裁選のメディア予測について触れ、「その筆頭に田﨑さんがいませんか?」と切り出した。
金子氏はさらに、「昨日も、あるジャーナリストの方と話しましたが、ちょっと、ジャーナリストから見ても、(田﨑氏は)“やりすぎだな”って言ってましたよ」「いくらなんでも世論を誘導、扇動しすぎですよね、っていうくらい(田﨑氏は)”小泉さん上げ“で。上げはいいんですけど、“高市さん下ろし”が凄かったなという印象がとってもあります」と、田﨑氏の情報操作とも取れる姿勢を厳しく批判した。この金子氏の「田﨑サゲ」を支持する声が数多くあがり、田﨑氏のテレビでの発言が何かしら炎上する決定的な要因となった。「引退しろ」といった過激な投稿も散見されるようになり、事態は沈静化する気配を見せていない。
結論
政治評論家・田﨑史郎氏の「炎上」は、自民党総裁選での予測の誤り、その後の特定の政治家への“サゲ”発言、そして同業者からの批判という複数の要因が絡み合って生まれたものだ。特に、視聴者が自身の見解と大きく異なる情報操作の意図を感じ取った時、その反発はより一層強まることが示された。果たして田﨑氏の炎上が鎮火する日は来るのか、今後の動向が注目される。
参考文献
- TBS系『ひるおび』(2025年10月23日放送回)
- テレビ朝日系『ワイド!スクランブル サタデー』(総裁選直後放送回)
- 金子恵美チャンネル(YouTube、2025年10月8日アップロード動画)
- Yahoo!ニュース (記事元)