遺体の傷は20カ所以上 社長の遺体遺棄 防犯カメラの不審車両で容疑者特定





馬場裕輔さん

 大阪市内の塗装会社の男性社長が今月22日から行方不明となっていた事件で、大阪府警捜査1課は兵庫県西宮市内で見つかった遺体を男性社長と特定。27日夜、死体遺棄容疑で大阪市住之江区の塗装業、国本有樹容疑者(34)を逮捕した。遺体の顔や胸などの上半身には刺し傷や切り傷が20カ所以上あり、同課は殺人事件として捜査する。

 同課によると、男性社長は同市西成区松の塗装業、馬場裕輔さん(41)。国本容疑者は馬場さんから仕事を請け負うなど仕事を通じた知人で、馬場さんから借金をしていたとの情報もあるという。

 逮捕容疑は24日ごろ、兵庫県西宮市山口町金仙寺(きんせんじ)の竹林に馬場さんの遺体を遺棄したとしている。同課によると、「知らない」と容疑を否認しているという。

 馬場さんは22日夜、妻に「自宅に帰る」と連絡したものの帰宅しないため、妻が翌日、行方不明者届を出していた。同課が調べたところ、大阪市住之江区の会社事務所のシャッターや周辺の側溝から血痕のようなものを発見。さらに同市西区の駐車場で、馬場さんの軽乗用車も見つかった。

 同課は、馬場さんが事件に巻き込まれた可能性があるとみて捜査。血痕が見つかった会社事務所から約30キロ離れた西宮市内の竹林で27日、ブルーシートを上からかけられた状態の遺体を発見し、その後、身元を特定した。

■防犯カメラに不審車両、容疑者特定

 馬場裕輔さんの妻が大阪府警に行方不明者届を出したのは23日午後2時半ごろ。府警はその日のうちに、馬場さんの会社事務所周辺で血痕のようなものを発見。さらに防犯カメラを精査し、付近に停車する銀色の不審車両を確認した。

 関係者への聞き取りなどから、馬場さんと仕事を通じた知り合いだった国本有樹容疑者がよく似た軽ワゴン車を使っていることが判明。府警は、国本容疑者から任意で事情聴取するとともに車を押収、車内などから血痕が見つかった。

 さらに、国本容疑者から提出されたスマートフォンを解析したところ、24日朝に兵庫県西宮市内の山中にいたことを示す位置情報の履歴を把握。周辺の防犯カメラを調べたところ、国本容疑者の車と酷似する車両が写っていた。

 府警は27日から付近を捜索し、神戸電鉄有馬温泉駅から北東へ約3キロ離れた山間部の竹林で遺体を発見。身元を馬場さんと特定し、国本容疑者の逮捕に踏み切った。



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