【よみがえるトキワ荘】未来へ(3)地域を誇る心、子供にはぐくむ

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トキワ荘の跡地モニュメント前で、仁科光一校長(右奥)の説明を聞く豊島区立椎名町小3年の児童たち=1月27日、同区南長崎(鵜野光博撮影)

トキワ荘の跡地モニュメント前で、仁科光一校長(右奥)の説明を聞く豊島区立椎名町小3年の児童たち=1月27日、同区南長崎(鵜野光博撮影)

 「住人の中で1人だけ女の人がいて、水野英子さん。女の人も少女漫画を描くようになった日本で第1号と言われています」

 1月27日午前9時過ぎ、豊島区南長崎の記念碑「トキワ荘のヒーローたち」前。区立椎名町小3年の総合学習で行われた「地域巡り」の授業で、仁科光一校長(54)の説明に、30人以上の児童が耳を傾けた。この後、住人行きつけの中華料理店「松葉」、漫画に出てくる二叉(ふたまた)交番、赤塚不二夫が住んだ紫雲荘、トキワ荘の跡地モニュメント、さらに都営大江戸線落合南長崎駅にある水野さんの壁画などを見て回った。

 同小は跡地から約500メートルの近さにある。仁科校長によると、3年生は1学期にトキワ荘について既に学んでおり、今回の見学はトキワ荘以外も含めた「地域案内人になろう」がテーマだ。同月31日、児童らは教室で自分が選んだテーマで発表用の模造紙に文字などを書き始めた。「公園のびちく」「ぼうさいと昔とじんじゃ」などのテーマに混じって、「ステキなトキワ荘のみどころ」と書き始めた児童もいた。

 同小では昨年度から、3、6年生の総合学習で本格的にトキワ荘を取り上げている。3年生は地域にトキワ荘があることを知って興味を持つこと、6年生はトキワ荘の価値を地域の一人として発信していくことが目標だ。6年生が2学期に行ったグループ発表では、「手塚治虫」「漫画の歴史と聖地巡礼」などがテーマに選ばれた。

 仁科校長は、トキワ荘マンガミュージアム(3月22日開館)の設計検討がまさに行われている平成29年4月に着任した。翌年度のカリキュラムを組むに当たって「漫画やアニメを学校で取り上げていいのか、取り上げるにはどうしたらいいのか、だいぶん迷った」と苦笑いする。漫画やアニメのプロを育てるための教育ではない。仁科校長は、前回紹介した荻野健一デジタルハリウッド大学大学院教授が豊島区のイベントに参加した際に、「知恵を貸してもらえませんか」と声をかけた。荻野教授は現在、6年生の授業やカリキュラムの作成に協力している。

 跡地に近い同区立富士見台小でもトキワ荘の学習が行われている。昨年度、3年生は住人が描いた作品を読むなどしてから跡地を訪ね、「トキワ荘をなんで壊しちゃったの」という声も児童から出たという。また、5年生はトキワ荘を使ったまちおこしや、世界への発信について企画書をまとめ、区の担当者にプレゼンした。

 「地域から、この街に愛着を持って文化伝統を担ってくれる次の世代を育ててもらいたいという期待は大きい」と椎名町小の仁科校長。「今後も、子供たちが地域を誇りに思えるような学びをつくっていきたい」と力を込める。

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