無免許運転で死亡事故を起こした男に、車の所有者へ捜査が及ばないよう虚偽の供述をするよう依頼したとして、犯人隠避教唆の罪に問われた第二東京弁護士会所属の弁護士、江口大和被告(33)の判決公判が3日、横浜地裁(田村政喜裁判長)で行われた。田村裁判長は弁護側の無罪主張を退け、江口被告に懲役2年、執行猶予5年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。弁護側は即日控訴した。
田村裁判長は、問題となっている虚偽の供述内容は法的な知識がある者の関与がなければ作成できないと指摘。車の所有者らの証言も具体性や迫真性に富んでおり、「核心部分で信用できる」とした。その上で「弁護士としての知識を悪用し、正当な弁護活動を逸脱したことは非難に値する」と判決理由を述べた。
事故は平成28年5月12日に発生。横浜市内で無免許運転の男の車が電柱に衝突し、同乗の男性が死亡した。判決によると、江口被告は無免許と知りながら運転させていた車の所有者の男の罪を免れさせるために共謀。車を運転していた男に、警察官の事情聴取で虚偽の供述をするよう依頼したなどとしている。