【モスクワ=小野田雄一】ポンペオ米国務長官は3日、訪問先のウズベキスタンの首都タシケントでカミロフ外相と会談した。ポンペオ氏はこれに先立ち、ウクライナとベラルーシ、カザフスタンの旧ソ連3カ国も歴訪した。旧ソ連諸国では軍事面でロシアの、経済面で中国の影響力が強まっており、米国は巻き返しを図る構えとみられる。
ポンペオ氏はカミロフ氏との会談で両国が関係強化を進める方針を確認。その後、中央アジア5カ国(ウズベク、カザフ、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン)との外相会合に出席し、米国は投資などを通じて地域の発展を支援すると表明した。
ポンペオ氏は1月31日、ロシアと事実上の交戦状態にあるウクライナでゼレンスキー大統領らと会談。「ロシアによる侵略との闘い」のためにウクライナへの軍事・経済的支援を継続すると表明した。トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」をめぐって米上院で弾劾裁判が行われる中、ウクライナとの良好な関係を続けるとアピールした形だ。
ウクライナをめぐっては、軍用機エンジンの製造メーカーを中国企業が買収しようとしている問題がある。軍事技術が中国に渡ることを警戒する米国は売却に反対しており、会談ではこの問題についても話し合われた可能性がある。