【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は4日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が中国本土で2万438人、うち死者は425人に上ったと発表した。現時点で感染が疑われる事例も2万3千人を超えている。中国では3日に春節(旧正月)の大型連休が明けており、今後各地で感染者が増える恐れが指摘されるなど警戒感が広がっている。
いずれも4日午前0時(日本時間同1時)時点。感染者は前日から3235人増えた。1日当たりの感染者数の増加数が3千人を超えるのは初めてとみられ、感染拡大に歯止めがかかっていないことが鮮明となった。死者は前日から64人増えた。
感染拡大が最も深刻な武漢市を含む湖北省当局は4日、感染者が3日に2345人、死者が64人増えたと発表した。中国当局によると、3日に新たに確認された死者はすべてが湖北省だった。
現在、感染者数は中国各地に広がりを見せているが、死者のほとんどは湖北省に集中している。同省の治療態勢が感染拡大に追いついていないものとみられる。湖北省では突貫工事で病院を建設するなど、治療態勢の立て直しが急ピッチで進められている。
一方、中国共産党の最高指導部メンバーを集めた会議は3日、一連の対応について「欠点と不足」があったと指摘し、初動に問題があったことを事実上認めた。党中央がこうした姿勢を見せるのは異例だ。