元朝日新聞記者の植村隆氏(61)が、慰安婦について書いた記事を「捏造(ねつぞう)」とされ名誉を傷つけられたとして、ジャーナリストの桜井よしこ氏(74)と出版社3社に謝罪広告の掲載と損害賠償を求めた訴訟の判決で、札幌高裁(冨田一彦裁判長)は6日、訴えを退けた1審判決を支持し、植村氏の控訴を棄却した。
冨田裁判長は判決理由で、3社発行の週刊誌などに掲載された桜井氏の記事が、植村氏の社会的評価を低下させたと認定。一方、桜井氏が記事内容を真実であると信じたことについて理由があると認められるほか、公共の利害に関することであるとして、植村氏の社会的評価が低下しても違法性はないとした。
桜井氏は判決を受け、「裁判所が事実関係をきちんと見てくださったことに感謝します」とコメント。植村氏は記者会見で「不当判決で絶対に容認できない。正義を実現するためにこれからも頑張りたい」と話し、上告する方針を明らかにした。