大手商社7社の令和元年4~12月期連結決算(国際会計基準)が7日、出そろった。米中貿易摩擦による世界的な経済停滞や、それに伴って資源価格が下落したことなどが響き、三菱商事、住友商事など5社が最終減益となった。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の減速懸念が強まる中で、丸紅と双日が2年3月期の最終利益予想を下方修正した。
7社のうち、伊藤忠商事が食料、住生活部門の好調で、最終利益が前年同期比7・3%増の4266億円、豊田通商が6・1%増の1165億円と増益だった。その一方、石炭などの資源価格下落が影響したため、5社が減益となった。
三菱商事はオーストラリアで展開する原料炭事業などが不振で、15・6%減の3733億円。住友商事は北米鋼管事業が振るわず、12・6%減の2113億円だった。モザンビークの石炭開発事業の損失計上によって三井物産は4・3%減の3350億円、メキシコ湾での石油・ガス開発事業で減損損失を計上した丸紅は33・7%減の1456億円で、双日は30・2%減の374億円だった。
さらに先行きに対する不安も大きい。7日に発表した住友商事の高畑恒一副社長は「(昨年12月の)日米貿易交渉の第1段階の合意の効果が業績にプラスに出始める所に、冷や水をかけられた」と、新型肺炎の悪影響を説明。各社ともに世界経済の減速や、資源価格下落が来年度以降の業績を悪化させることを警戒している。