中国、春節休業終了で経済活動再開も回復は不透明 新型肺炎死者900人超



 中国山東省青島の鉄道駅で、防護服姿で利用客を誘導する担当者ら=9日(新華社=共同)

 【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は10日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が中国本土で累計4万171人、死者が908人に上ったと発表した。現時点で感染が疑われる事例は2万3千人を超え、中国当局は感染拡大阻止へ対策を進めているものの歯止めが掛かっていない。

 上海市など中国各地では10日、当局の指示により休業期間を延長していた企業が活動を再開させた。春節(旧正月)の大型連休が始まった先月24日以来、約半月ぶりに多くの企業が動き出したことになる。だが、感染防止のため在宅勤務を延長させるといった対応をとる企業も目立ち、経済活動がどこまで回復するか不透明な部分がある。

 国家衛生健康委員会の発表は、いずれも10日午前0時(日本時間同1時)時点。感染者は前日から3062人増え、死者は97人増えた。新型肺炎による中国本土の死者数は、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数774人を、9日に上回っている。

 感染拡大が最も深刻な武漢市を含む湖北省当局は10日、感染者が9日に2618人増え、累計2万9631人になったと発表した。死者は9日に91人増え、累計871人になった。感染者の致死率は湖北省で2・94%、武漢で4・03%になった。治療態勢の立ち遅れが、死者増加につながっていると指摘されている。

 春節の大型連休は当初1月30日までだったが、中国政府はこれを2月2日まで延長。さらに、上海など各地の当局は、企業に対して2月9日まで休業や在宅勤務を求める通達を出していた。職場に人が集まって感染が拡大することを回避するためで、企業の休業が長期化していた。



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