【アカデミー賞】再現性の高さで役柄に命 カズ・ヒロさん2度目の受賞 



米アカデミー賞メーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞したカズ・ヒロさん(中央)=9日(現地時間)、米ロサンゼルス(ロイター)

 【ロサンゼルス=上塚真由】米映画界最大の祭典、第92回アカデミー賞で、メーキャップ&ヘアスタイリング賞で受賞を果たした「スキャンダル」のカズ・ヒロさん(50)。同賞の受賞は自身2度目となり、オスカー像を手に満面の笑顔を見せた。

 「スキャンダル」は、米専門テレビ局のFOXニュース最高責任者(CEO)だった故ロジャー・エイルズ氏のセクハラ問題を描いた社会派作品。女優のシャーリーズ・セロンさんが、実在の女性キャスターのメーガン・ケリー氏を演じ、製作も務めた。

 作品では、カズ・ヒロさんがセロンさんらに施した特殊メークの再現性の高さが話題に。顔の特徴や違いを研究し、3Dスキャナーとプリンターを駆使して鼻やあごのパーツを成形。セロンさんが演じたケリー氏本人も「6歳の息子が(セロンさんを)私だと思った」と指摘するほど、本物そっくりに変身させた。

 カズ・ヒロさんは米誌のインタビューに、「人の顔にはその人の魂が映される。ささいな表情や姿勢、癖を研究して彫像のパーツを作っていく」と話した。

 カズ・ヒロさんは1969年京都市生まれ。高校時代に映画誌でみたハリウッドの特殊メークに興味をもち、卒業後、独学で技術を身につけて96年にハリウッドに渡った。

 2012年には肖像彫刻の芸術家に転身したが、映画界に復帰し、18年に「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でアカデミー賞を初受賞。19年3月には米国に帰化した。役柄に命を吹き込む芸術家として、いまやハリウッドを欠かせない存在となっている。



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