日本の自動車メーカーは10日、新型コロナウイルス感染拡大の震源地である湖北省以外の一部の中国拠点で、延長していた春節(旧正月)連休を終えて約半月ぶりに営業を再開した。ただ、地元当局による移動制限などのため工場に出勤できない従業員もいるもようで、各社とも生産再開には至っていない。在宅勤務を命じる社もあり本格再開には時間がかかりそうだ。
「職場にたどり着けない従業員も多いようだ。情報が集まっていない」。あるメーカーの日本の広報担当者は10日、現段階でも情報が混乱していることを明かした。
ホンダは広州市の四輪と二輪の工場、広東省内の部品工場などで10日以降を出勤日としたものの、生産は再開できていないという。「できるだけ早期に生産を再開する予定」としている。主力の武漢工場は14日に出勤を始め、17日以降の生産再開予定だ。
マツダは物流状況などを考慮し、南京の完成車工場の活動再開を12日以降に延期した。同じく南京にあるエンジン工場は10日から一部従業員を出勤させ、設備点検など生産再開準備を始めたという。一方、上海市にある現地統括拠点は全面的に在宅勤務にした。
日産自動車は10日、湖北省以外の4つの生産拠点について「早ければ今週内の生産再開を目指す」とするコメントを出した。湖北省内の拠点の再開は14日以降としている。トヨタ自動車はすでに、完成車工場4カ所をはじめとした全12工場の稼働再開を17日以降と決めている。