【数字から見えるちば】チーズ出荷額全国5位 個性的なチーズ工房が多い夷隅地域






 千葉県は酪農家数が全国4位と、全国有数の「酪農県」である。日本の酪農は、江戸時代に、徳川8代将軍吉宗がインド産の白牛を、現在の南房総市で飼育したのが始まりと言われている。酪農のパイオニアでもある千葉県は、チーズの出荷額が全国5位(107億円)となっている。千葉市民のチーズの年間支出額(平成30年)は7173円と全国平均(5887円)より約2割多く、県庁所在地の中では東京、横浜に次いで第3位に位置する。

 農林水産省のチーズ需給表によると、全国のチーズ総消費量は、平成25年度の29万5639トンから右肩上がりの増加を続け、30年度には、35万2930トン(25年度比19・4%増)となった。この背景には、外食産業でチーズタッカルビなどのチーズ料理が人気であることや、ワインブームに伴うおつまみ需要(コンビニなどでの消費)の拡大に加え、供給面で大手業者の増産のほか小規模なチーズ工房が増加していることがある。全国のチーズ工房数(大手乳業者除く)は、22年の約150カ所から30年には319カ所と倍増している。

 千葉県によると、県内には昨年10月時点で12軒のチーズ工房があり、うち7軒が酪農が盛んな夷隅地域に集中している。地元産の新鮮な牛乳を使ったこだわりのチーズを作るために県内外から移り住んだチーズ職人が多く、経営は小規模ながら、内外の最高賞を受賞するなど個性的で高品質な工房ばかりだ。

 いすみ市の「高秀牧場」では、ブルーチーズ「草原の青空」が27年の国際コンクールにおいて、最高金賞を受賞した。市では、ふるさと納税の返礼品に同牧場のチーズを出品したところ、現在では出荷まで4カ月待ちとなっている。

 また、大多喜町のチーズ工房「【千】sen」も「竹炭 濃厚熟成」が29年の「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」で最高峰の農林水産大臣賞を受賞しており、月に1度の販売日には、香り豊かなチーズを目当てに山林に囲まれたのどかな地に国内外から多くの人が押し寄せる。

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