石油元売り大手3社の令和元年4~12月期連結決算が14日、出そろった。最終利益は全社が前年同期比で減少した。米中貿易摩擦による世界経済の停滞懸念から原油価格が下落し、在庫の評価損が生じたことが主な要因。各社は新型コロナウイルスによる肺炎でさらに業績が下振れするリスクを警戒している。
原油価格は元年末に持ち直しつつあったが、新型肺炎の感染発覚以降、再び安値で推移している。「いろんな影響がどのくらい出るか分からない」(JXTGホールディングス幹部)と先行き不透明感は強い。出光興産は、便数が減少した航空機用燃料の販売に悪影響が出ている。
元年4~12月期に関しては、出光は海外開発案件のトラブルが響き、最終利益は36・2%減少した。コスモエネルギーホールディングスは台風で製油所の稼働が低下。2年3月期の最終利益予想を下方修正し、前期比95・3%減の25億円とした。