在日米国大使館は15日、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスで横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の米国人乗客をチャーター機で退避させると発表した。チャーター機は16日夕に日本に到着し、17日に羽田空港から出発する見込み。日本政府は、米国と同様に退避の要請が他国からあった場合は協力する方針だ。
米政府によると、米国人乗客はバスでダイヤモンド・プリンセスからチャーター機に移送する。検査も実施する予定で、日本での治療が必要な乗客がいる場合に備えて日本側と調整を進めているという。
チャーター機は米西部カリフォルニア州の空軍基地に向かう。一部の乗客は南部テキサス州の空軍基地に移動する。米到着後は、感染拡大を防ぐため、2週間の隔離措置を実施するとしている。
米メディアによると、同船に乗る米国人ら約380人のために、チャーター機2機を手配するという。
米政府は、日本政府や船旅会社の対応に感謝を示しつつ、「国民に対する政府としての責任を果たす」として、安全確保に向けた下船と帰国を米国人乗客に求めた。米側は、チャーター機による米国民の帰国は、日本の医療体制に対する負担軽減にもなると説明している。
乗客乗員を待機させ続けていたダイヤモンド・プリンセスに関しては、日本の対応を疑問視する声が上がっていた。米国人乗客からは下船を求める声も上がり、米政府は早期の帰国が必要と判断したとみられる。
米国のポンペオ国務長官は15日、訪問中のミュンヘンで茂木敏充外相と立ち話をし、新型コロナウイルスについて、ダイヤモンド・プリンセスに乗船する米国人の対応を含め、引き続き連携していくことで一致した。