つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区)が従業員向けの電子掲示板に東京新聞の記事の切り抜きやコピーを無断で掲載し著作権を侵害したとして、東京新聞を発行する中日新聞社(名古屋市)は17日、約1250万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。社内の電子掲示板に記事を無断で掲載したとして、新聞社が損害賠償を求める訴訟は初めてとみられる。
訴状によると、首都圏新都市鉄道は、TXが開業した直後の平成17年9月から昨年4月まで、東京新聞に掲載されたTX沿線などの記事の切り抜きやコピーの画像データを社内の電子掲示板に無断で掲載。本社や駅などに設置されたパソコンから従業員に閲覧させたとしている。
中日新聞社の北嶋弘和・電子メディア局長は産経新聞の取材に「記事や写真は、新聞製作に携わる多くの人の労力と厳密な作業を経ている貴重な知的財産。業務上利用する場合は事前に許諾を得たうえで対価を支払うのは当然だ」とコメント。首都圏新都市鉄道は「訴状の内容を把握していないので、コメントは差し控える」としている。