【台北=田中靖人】米トランプ政権で昨年末までインド太平洋の安全保障を担当したシュライバー前国防次官補が19日、台北市内で講演し、米台の軍事関係の強化と日米台の安全保障対話に期待を示した。
同氏は台湾の国防部(国防省に相当)系のシンクタンク、国防安全研究院で講演。中国軍機が10日に台湾海峡の中間線を越えた事例を「非常に挑発的な行動だ」と非難した。その上で、「台湾が有能で練度の高い軍隊を持つことは米国の国益にかなう」として、米側が台湾軍を訓練する機会を設けるべきだと主張。さらに、米台両軍が作戦レベルの即時情報を交換すべきだと訴えた。
また、「日本は台湾の将来を安全保障に直結するとみている」と述べた上で、地域の共通の課題や国際海洋空間などで「日本が台湾と協力する方法はある。米国が橋渡し役になれるかもしれない」として、米国を中心とする日米台の安全保障対話に期待を示した。
同氏は2018年1月から19年12月まで国防次官補を務めた。