神戸教諭いじめ「筆舌に尽くしがたい」 調査委、激辛カレーなど123件認定 



教諭いじめ問題をめぐり開催された調査委員会=21日、神戸市中央区(前川純一郎撮影)

 神戸市立東須磨小で教諭4人が同僚をいじめていた問題で、事実関係や組織的な背景について調べていた弁護士3人による調査委員会が21日、市教育委員会に調査報告書を提出し、概要を公表した。調査委は加害教諭4人による123の行為をハラスメントにあたる事実と認定。日常的ないじめの対象となった被害教諭(25)に加え、20代の男女教諭3人も対象になったとした。

 報告書は、被害教諭の置かれた状況について「筆舌に尽くしがたい苦しみをこうむり、死まで考えざるを得ないようになった」と言及。いじめの原因としては「何よりも加害教諭らの個人的資質によるところが大きい」としつつ、校長ら管理職の対応が「従たる原因」と指摘。さらに市教委の体制上の問題も「状況を放置・助長することになった」と責任の一端があると踏み込んだ。

 市教委のこれまでの説明によると、被害教諭(25)は平成29年4月に同小に着任し、遅くとも翌30年の春以降、30~40代の男女4人の教諭から暴行や暴言を日常的に受けるようになった。被害教諭の申告によれば、激辛カレーを無理やり食べさせ、目にこすりつける▽他の女性教諭に性的なメッセージを送るよう強要する▽ロール紙の芯で思いきり殴る-といった悪質ないじめ行為が常態化していたという。

 また、別の20代の教諭3人に対する暴言や、悪質なセクハラ被害も明らかとなっている。

 東須磨小の前校長は事態を把握しながら、これを放置。後任の校長も加害教諭4人への口頭注意のみで済ませた。市教委側も「度が過ぎるからかいがある」との情報に接しながら、介入しなかった。

 男性教諭は体調を崩して昨年9月から欠勤。親族とともに職員相談窓口を訪れて被害申告したことで、ようやく市教委が調査を開始した。同10月になって加害教諭4人を小学校の勤務から外し、分限休職処分として給与の支払いを差し止めている。

 調査委は同月に設置され、これまでに被害・加害教諭ら延べ60人以上からヒアリングを実施した。同12月には報告書を公表する予定だったが、被害教諭が訴えた約150項目のいじめの内容を記した資料を、市教委が調査委に渡していなかったことが年末に判明、報告書完成が遅れることになった。

 市教委は報告書に基づき、加害教諭4人の懲戒処分を今月中にも行う方針。



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