全国の観光地で問題化している、外国人観光客による「オーバーツーリズム問題」。その一因には、円安を背景に手頃な予算で旅行できるようになった「安い国ニッポン」という側面がある。特に、外国人たちに“お金をかけず”楽しむスポットとして定着した場所の1つが、渋谷センター街のコンビニである――。
【写真を見る】まるでクラブのよう… コンビニ前で“酒盛り”する外国人たち
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コンビニ前が「クラブ状態」 路上にはゴミや空き缶が散乱
路上に散乱したゴミ、酒を片手に歓声を上げる多数の外国人、酔っぱらった外国人がコンビニの店員に絡む様子も……
いま、外国人観光客の急増で、渋谷センター街の治安が急激に悪化している――。
そのような情報を耳にした記者は、状況を確かめるべく、終電の終わった金曜日の午前1時頃、渋谷センター街に足を運んだ。
さすがは日本有数の歓楽街、この時間になっても多くの人出で賑わっているが、以前と比べて目立つのは、やはり外国人旅行者の姿だ。
スクランブル交差点を前に記念撮影をしたり、深夜営業のラーメン屋に足を運んだり、思い思いに「渋谷の夜」を楽しんでいる。その中には、「リラックスしすぎ」なグループもちらほら。路上で“車座”になり、酒を酌み交わす10人近い白人女性のグループの姿もある。こうした“酒盛り外国人”の数は、センター街を進むにつれ、徐々に増えていく。
中でも、ひと際人口の密集するポイントを見つけた。宇田川交番の裏側にあるファミリーマートの周辺である。
この時間にも関わらず、ざっと100人近い若者たちが、酎ハイを片手に歓声を上げている。なぜか、その大半が渋谷凪咲のCM出演する缶酎ハイ「-196」を手にしていることもあってか、現場には妙な一体感が。そのうち7〜8割は外国人に見え、そうした様子をライブ配信する外国人YouTuberらしき姿もある。
実はここはSNSでも有名なスポットで、Xでは過去に、ファミリーマートの屋根に登って騒ぐ映像や、群衆がごみの収集車の行き来を“通せん坊”する様子なども拡散されている。
この日はそうしたトラブルこそ見られなかったものの、コンビニの入るビルの敷地内や、目の前の道路には尋常ではない数の空き缶が散乱しており、まるで東南アジアのストリートに迷い込んだような錯覚をしてしまう。
「交番裏のコンビニが、いつのまにか外国人観光客の“メッカ”のようになってしまいました。毎日のようにSNSで人の集まる様子が拡散されることもあり、“あそこに行けば楽しめる”といった感じで、観光客たちが集まってきてしまうんですね」
そう話すのは、渋谷センター商店街振興組合の鈴木達治理事長だ。