英離脱後初の首脳会議決裂 EU予算策定、加盟国に溝





 21日、ブリュッセルで行われたEU首脳会議終了後、共同記者会見するフォンデアライエン欧州委員長(左)とミシェルEU大統領(共同)

 欧州連合(EU)の次期中期予算(2021~27年)を策定する、英離脱後初の首脳会議は2日目の21日夜、決裂し終了した。離脱が7年間で最大750億ユーロ(9兆円)の予算の穴を招く中、穴埋めを求められたくない裕福な西欧や北欧と、予算の約7割を占める各種補助金の削減を抑えたい東欧や南欧、フランスの溝が埋まらなかった。

 次回日程は未定。終了後、ドイツのメルケル首相は記者団に「各国の隔たりが大きすぎる」と述べた。フォンデアライエン欧州委員長は「これが民主主義。27加盟国それぞれの利害がある」と厳しい表情で述べた。

 ミシェルEU大統領は開会前、英国を含む28カ国だった今期7年間の支出をわずかに下回る総額1兆948億ユーロの次期予算を提示。域内総所得(GNI)の1・074%に当たり、GNI比で今期の1・03%を上回る。

 オランダや北欧などは、EU縮小に合わせて予算を減らし、GNI比1%に抑えるべきだと強く主張。大胆な削減を避けたい過半数の国々と対立した。(共同)



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