【ラスベガス(米ネバダ州)=黒瀬悦成】トランプ米大統領は21日、西部ネバダ州ラスベガスで支持者集会を開き、「米国は偉大なる再起の途上にある」と述べて11月の大統領選での再選に向け結束を求めた。
トランプ氏は演説で、雇用拡大や中国との貿易合意締結、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の最高指導者、バグダディ容疑者殺害など、就任1期目の成果を強調。会場となったコンベンションセンターに詰めかけた数千人の聴衆からは「あと4年!」とトランプ氏再選を求める掛け声が何度もわき上がった。
トランプ氏は18~21日の4日間、自身が所有するホテルがあるラスベガスを拠点に、ネバダ州に加えカリフォルニア州、アリゾナ州、コロラド州の西部4州で大規模集会や資金集めのための食事会などのイベントを集中的にこなした。
民主党によるラスベガスでの候補者討論会(19日)と党員集会(22日)に対抗し、支持者を大量動員して勢力を誇示するのが目的。トランプ氏は指名争い初戦のアイオワ州党員集会(3日)と第2戦のニューハンプシャー予備選(11日)の前後にも大規模集会を開催し、メディアの関心が民主党の指名争いに集中するのを阻止してきた。
加えて、トランプ氏が今回訪れた西部4州のうちネバダ州とコロラド州は、共和、民主両党とも勝利が見込める「激戦州」であることから、テコ入れを図る狙いもあったとみられる。
トランプ氏はこの日の演説でも、候補者討論会でウォーレン上院議員らに論破されて振るわなかったマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長を「ちびのマイクよ、どうしたんだ。ポカホンタス(トランプ氏がウォーレン氏につけたあだ名)に言い負かされるなんて」とからかうなど、民主党を執拗(しつよう)に攻撃した。