【安倍政権考】クルーズ船対応、GDP前期比減 得意の「危機管理」「経済」で正念場





政府の新型コロナウイルスへの対応には批判も多い。今後の感染拡大や重症化の防止が喫緊の課題だ(写真は首相官邸で16日開かれた新型コロナウイルス感染症専門家会議)

 安倍晋三首相が、長期政権を築いた強みである「危機管理」と「経済」の面で正念場に立たされている。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスをめぐる対応が手ぬるいうえに後手に回った感は否めない。内閣の支持率は低下傾向で、経済の先行きも不安視されており、今後の手綱さばきが政権運営や衆院解散・総選挙の時期、「ポスト安倍」といった政局に影響を与えることは間違いない。

 集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客で、ウイルス検査が「陰性」となり19日に下船した70代の男性はこう語った。

 「降りる直前に検査をすると思った。他国は降りた人を2週間、別のところに移すという。政府の対応はおかしいのではないか」

 検査のための検体を取ったのは下船する数日前で、その後に感染した可能性はゼロではない。下船した自国民をチャーター便で迎えに来た米国や豪州は2週間隔離するが、日本は下船者を公共交通機関で帰らせた。多くの人がいる飲食店に立ち寄った下船者もいた。

 19日の衆院予算委員会では、野党統一会派の山井和則氏が、「万が一のことを考えるのが危機管理だ」と述べ、下船者らを隔離する必要性を訴えた。

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