大阪ガスは25日、世界最高の発電効率を実現した家庭用燃料電池「エネファームtypeS」の新製品を4月1日から販売すると発表した。発電効率は55%で、同社の従来製品を上回り家庭用燃料電池としては世界最高水準。同時に小型化もしており、マンションなど集合住宅での販売拡大を目指す。
大ガスがアイシン精機や京セラなどと共同開発した。平成30年製の同型機の発電効率は53・5%だったが、燃料電池の心臓部分にあたるセルスタックの改良によって発電効率が向上した。従来の給湯暖房システムに比べて年間の光熱費を約45%削減できるという。
さらに、各部品の小型化によって設置に必要な面積を約20%削減。「設置できるファミリー向けマンションはこれまでの2倍以上になる」(同社)という。また、IoT(モノのインターネット)機能を拡充し、台所や浴室のリモコンから子供が帰宅したことを外出先の保護者のスマートフォンに通知できるサービスなども搭載した。価格は熱源機などとセットで168万円(税別)。
家庭用燃料電池は都市ガスから取り出した水素を使って発電するため停電時にも電力を供給でき、大ガスは災害時対応の面からもアピールしている。