若者のテレビ離れが顕著に データが示す衝撃の実態

最近、若者を中心にテレビ離れが進んでいると言われています。元NHKアナウンサーの今道琢也氏の著書『テレビが終わる日』で引用されているある調査データは、その実態を如実に示しています。特に若者のテレビ離れは、多くの人が想像する以上に深刻な可能性が指摘されています。

まず、この調査によると、放送局のコンテンツやサービスに何らかの形で接触している人は全体の92%でした。これは、リアルタイム視聴だけでなく、録画再生、インターネットでの見逃し配信、YouTube、Hulu、公式サイト、SNSアカウントなど、非常に広範な接触を含んでいます。「いずれにも接触なし」は8%でした。

若者のテレビ離れが進む現代のメディア環境を描いたイメージ写真若者のテレビ離れが進む現代のメディア環境を描いたイメージ写真

年代別に見る衝撃のデータ

しかし、これを年代別に見ると、驚くべき傾向が見えてきます。13〜19歳の19%、そして20代の27%が「いずれにも接触なし」と回答しています。30代でも12%が「いずれにも接触なし」となっています。ティーンエイジャーの約2割、20代では3割弱もの人が、文字通り一切のテレビ関連コンテンツに触れていないという事実は、メディア関係者にとってはかなり衝撃的です。

「いずれにも接触なし」が意味するもの

「いずれにも接触なし」という状態は、リアルタイムでテレビを見ない、録画再生も利用しない、さらにはインターネット上の見逃し配信やYouTubeのテレビ局公式チャンネル、Huluのドラマなども含め、1週間に一度も放送局発のコンテンツに触れない生活を指します。意識的に避けなければ、食事中や他の動画視聴中に偶然目にする可能性があるため、旧来のメディア利用者にしてみれば、このような生活を送ることは難しいでしょう。

しかし、今の10代や20代の2〜3割は、これを「ごく普通」のこととして送っているのです。彼らにとっては、テレビ局のコンテンツに触れないのが自然であり、むしろ驚くべきは「テレビに驚いている世代」の方なのかもしれません。

この調査データは、単なる「テレビを見る時間が減った」というレベルではなく、若者の間では「テレビ局のコンテンツに全く触れない」という層が無視できないほど存在している現状を浮き彫りにしています。これは、今後のメディア環境や社会のコミュニケーションのあり方を考える上で、極めて重要な示唆を与えています。

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