米大統領、タリバンと会談へ 「遠くない将来」和平履行促す狙い





記者会見するトランプ米大統領(右)=29日、ホワイトハウス(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は2月29日、ホワイトハウスで記者会見し、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンとの和平合意に関し、タリバン指導部と「遠くない将来」に直接会談する意向を明らかにした。

 実現すれば、2001年の米中枢同時テロ以降、米大統領がタリバンと会談するのは初めてとなる。トランプ氏はタリバンに対し、和平の実現に向け「アフガンを対米攻撃の拠点にさせない」などの合意事項の履行を強く求める考えだ。会談の実施場所には言及しなかった。

 トランプ氏は記者会見で「誰もが戦争に疲れている」とし、駐留米軍の撤収に向けた作業を「今日から直ちに始める」と強調した。タリバンに対しては「彼らが実行を表明した事柄を行ってくれることを強く望む」と語り、アフガン政府との和平促進に期待を表明した。

 トランプ氏はまた、今後のアフガンの治安維持を誰が担うかに関し「(米軍の代わりに)タリバンが(テロ対策の)仕事を行う」とし、国際テロ組織アルカーイダやイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の掃討で主体的役割を果たすよう促した。

 さらに、「悪いことが起きれば、未曽有の速さで米軍部隊をアフガンに戻す」と表明し、タリバンに暴力行為を再開させないようくぎを刺した。

 一方、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は28日、ツイッターで和平合意について「米民間人への許容できない脅威となる。タリバンに正当性を与えれば、アルカーイダやIS、米国の敵対勢力に間違ったシグナルを送ることになる」と非難した。

 これに対しトランプ氏は「今回の合意を批判できる資格は誰にもない。ボルトン氏にも(合意をまとめる)機会があったが何もしなかった」と反論した。



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