東京電力福島第1原発事故による避難指示が一部で解除された福島県双葉町は4日、JR常磐線双葉駅前に役場の連絡所を開設し、約9年ぶりに地元で一部業務を再開した。
今回の避難指示解除では住民の帰還はないが、町内に拠点を置くことで、令和4年春ごろの帰還開始に向け住民が町に戻りやすい環境を整える狙いがある。
4日に解除されたのは駅周辺と町北東部の海沿いエリアなど約240ヘクタールで、町面積の約5%に相当。14日には双葉駅を含む不通区間での運行再開で常磐線が全線復旧、復興の後押しになると期待されている。
伊沢史朗町長は4日の連絡所開設式典で「ようやく避難指示解除が実現し、私たちの古里へ役場機能の一部を戻すことができたことは万感の思い。これを機に復興への歩みを着実に進める」と語った。