日本で初めて女性首相となる高市早苗氏が率いる「高市内閣」が、自由民主党と日本維新の会の連立により発足しました。この歴史的な連立政権の船出に対し、日本維新の会の“創業者”である橋下徹氏がどのような見解を示しているのか、世間の注目が集まっています。本稿では、内閣の高い支持率の背景にある早期解散の可能性と、維新が連立の絶対条件として掲げた「身を切る改革」の重要性について、橋下氏の視点から深く掘り下げていきます。
高支持率の裏側:高市内閣の「解散権」行使と維新の戦略的課題
高市内閣発足後の世論調査では、内閣支持率が70%台という非常に高い数字を記録しました。このような状況下では、政権基盤を強化すべく、高市首相が衆議院の早期解散に踏み切る可能性が浮上します。しかし、橋下氏は、維新が「閣外協力」という形であっても自民党と政治を共にする以上、首相の持つ「絶大なる武器」である解散権は「封じなければならない」と強く主張しています。
その理由として、自民党と日本維新の会との間で選挙区候補者の調整が極めて困難である点を挙げています。もし自民党の都合で総選挙が実施されれば、準備が整っていない維新は甚大な苦境に立たされ、最悪の場合、連立そのものが破綻する事態になりかねません。橋下氏は、最終的に日本維新の会の吉村洋文代表と高市早苗首相との間の「信頼関係」が鍵となるとし、高市首相がその信頼を損ねてまで解散権を行使することはないだろうと期待を寄せています。
橋下徹氏が高市内閣の連立について語る
維新の絶対条件:「議員定数削減」と「副首都構想」へのこだわり
現在の大阪府知事を務める吉村洋文日本維新の会代表は、連立に向けた自民党との政策協議において、「大阪都」実現への道筋となる「副首都構想」と「社会保障改革」の二本柱に加え、「議員定数削減」を「絶対条件」として提示し、自民党側にこれを飲ませることに成功しました。議員定数削減は今開かれている臨時国会で、副首都構想は来年の通常国会で審議される予定です。
橋下氏は、議員定数削減の約束を極めて重要視しています。彼は、2012年に「日本維新の会」を結党した当初から、この政策を一貫して掲げてきたことを強調します。日本維新の会の源流である大阪維新の会においても、府議会・市議会の定数削減を断行してきました。橋下氏の哲学は「まずは自分たちの身を切る改革を徹底的に行い、その後に住民や国民に負担をお願いする」というものです。これにより、住民や国民は「彼らがそこまでやるなら仕方ない」と、しぶしぶながらも負担を受け入れてくれると説明します。大阪では、このアプローチによって「大改革を断行した」と橋下氏は語っており、議員定数削減の実現が連立維持の重要な鍵となる可能性を示唆しています。
高市内閣の船出は、日本政治に新たな局面をもたらしました。この連立政権において、日本維新の会は、橋下徹氏が指摘する解散権の行使問題や「身を切る改革」の徹底といった重要な課題を抱えながら、その存在感を示そうとしています。高市首相と吉村代表の信頼関係が試される中、日本初の女性首相が率いる内閣と、改革を訴える維新の連携が、今後の政権運営と国民からの信頼獲得にいかに影響していくのか、引き続き注目されます。





