帝国データバンクが4日発表した2月の景気動向調査によると、景気指数(DI)は前月比3・2ポイント減の38・7となり、5カ月連続で悪化した。DIが40を下回るのは平成25年2月以来、7年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で訪日客需要が大きく減少し、旅館・ホテル業は過去最大の下落幅を更新。暖冬による冬物関連の販売低迷も直撃し、10業界、10地域すべてで悪化となった。
DIは、50より上回れば景況感が良く、下回れば悪いことを示す。50を上回った業界はなく、「建設」の47・8が最高だった。
新型コロナウイルスの感染拡大で訪日客需要の減少や、旅行、イベントの自粛の影響を受けた「運輸・倉庫」(5・5ポイント減)、「サービス」(4・4ポイント減)は特に下落幅が大きかった。
サービスでは全15業種中14業種が悪化。その中でも「旅館・ホテル」が15・3ポイント減の23・2と低迷し、東日本大震災後の23年5月以来の低水準となった。一方、旅行の自粛が広がる中、自宅や屋内での視聴機会が増えた「放送」(0・8ポイント増)が全業種内で唯一、前月を上回った。
また、地域別では全地域で悪化し、47都道府県のうち45都道府県がマイナスとなった。観光業が好調で、DIが60台だった沖縄県も4・9ポイント減となった。最も下落幅が大きかったのは滋賀県(5・7ポイント減)だった。
新型コロナウイルスの感染拡大の収束が見通せず、米中貿易摩擦や海外リスクも残っていることから、今後の国内景気については「緩やかな後退が続くとみられる」との予測を示している。
調査は2月14~29日に実施。約1万社が回答した。