大阪府警は5日、「人身安全関連事案」といわれる配偶者間暴力(DV)やストーカー、行方不明事案の昨年の対応状況を発表した。DVの対応件数は初めて1万件を超え、10年連続で全国最多。府警は昨年4月に人身安全対策室を設置し態勢を強化しており、積極的な対応が件数増加につながっているとみられる。
府警によると、DVの対応件数は前年比316件増の1万70件で、摘発件数は同71件減の336件。内訳は傷害178件、暴行78件などで、裁判所による保護命令違反の摘発が5件だった。
被害者の多くは女性だが、大阪では男性被害者の割合が全国平均(21・7%)を上回り、全国で2番目に多い29・2%。府警幹部は「夫婦げんかで互いに手を出し合うケースも目立つ」としている。
一方、ストーカーの相談受理件数は減少傾向で、前年比102件減の1050件。行方不明事案の届け出受理件数は同481件減の7399件だった。年代別の最多は10代の1452件で、80代以上が1295件と続いている。
府警人身安全対策室の小林俊夫室長は「悩まず早期に警察や身近な窓口に相談してほしい」としている。