【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は9日午前7時36分(日本時間同)ごろ、東部の咸鏡南道(ハムギョンナムド)宣徳(ソンドク)付近から北東方向の日本海に向けて複数の飛翔(ひしょう)体を発射した。韓国軍合同参謀本部は、最大約200キロ飛行し、最高高度は約50キロに達したと探知。複数種類のミサイルなどを連続発射したとみて分析を進めている。日本政府は、日本の排他的経済水域(EEZ)内には落下しなかったとの見方を示した。
北朝鮮は2日にも東部、元山(ウォンサン)付近からミサイル2発を発射しており、北朝鮮によるミサイルなどの発射は今年2回。北朝鮮は3日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が2日に長距離砲兵部隊による打撃訓練を視察したと報道。公開した写真から発射した2発は、北朝鮮が「超大型放射砲(多連装ロケット砲)」と呼ぶ事実上の短距離弾道ミサイルと判明した。韓国軍は、同様の冬季訓練の一環として今回、複数種類の放射砲を発射したと分析している。
韓国大統領府が2日の発射に中止を求めたのに対し、北朝鮮は3日に正恩氏の妹の金与正(ヨジョン)党第1副部長名義の談話を発表し、「おびえた犬」などと激しい言葉で韓国側を非難した。英仏独など欧州5カ国が共同で非難声明を発表したのに対しても強く反発した。