日本弁護士連合会(日弁連、会員約4万2千人)の会長選が決着しなかったことに伴う再投票が11日、実施され、決選投票に残った元日弁連事務総長で仙台弁護士会の荒中(ただし)氏(65)が、第二東京弁護士会の元会長、山岸良太氏(66)を破り当選した。任期は4月1日から2年間。
日弁連によると、東京の3弁護士会と大阪弁護士会以外からの会長選出は、昭和61年から2年間務めた神戸弁護士会(現兵庫県弁護士会)の故北山六郎氏以来34年ぶりで史上2人目。
記者会見した荒氏は「東日本大震災で被災した私が3月11日にこの場に立っているのは何かの因縁を感じる」と述べ、被災者支援に一層注力していく意向を表明。新型コロナウイルス問題に関しても、全国で弁護士の無料相談を受けられる態勢を整えたいとした。
荒氏は福島県出身。東北大法学部卒業後、昭和57年に弁護士登録し、平成24~25年度に日弁連事務総長を務めた。会長選では弁護士の少ない「司法過疎地域」への対策や、若手弁護士への支援充実などを訴えた。