新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案は12日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。自民、公明の与党に加え、立憲民主党、国民民主党などの野党も賛成した。13日の参院本会議で成立する見通し。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスについてパンデミック(世界的大流行)と表明したが、緊急事態宣言に関して菅義偉(すが・よしひで)官房長官は12日の記者会見で「現時点で直ちに出すような状況にはない」と改めて語った。
改正案は、平成25年施行の特措法の適用対象に新型コロナウイルス感染症を追加した内容で、政府は適用期間を1年間と想定している。緊急事態が宣言されれば、都道府県知事は外出自粛や学校の休校、人が多く集まる娯楽施設の利用制限などを要請・指示できるほか、業者に対し必要な医薬品や食品といった物資の売り渡し要請なども行える。
ただ、私権制限を伴うため、政府は専門家の判断を踏まえて慎重に判断する方針だ。