関西電力役員らの金品受領問題を調べてきた第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)が14日、調査報告書を公表したことを受け、企業コンプライアンス(法令順守)に詳しい松本祥尚・関西大会計専門職大学院研究科長は「公益性の高い他の企業も調べる必要がある」と指摘した。
「今回の報告書の内容は、関電の経営陣に対する贈収賄容疑での立件を検討すべきではとの印象を受ける。この金品受領問題は、かつて金融業界などで見られた総会屋との癒着構造と非常によく似ている。銀行は株主総会がスムーズに開催できるように、総会屋に法外な利益を供与するという構図だ。関電のように公益性が高い民間企業はほかにも存在する。それらの企業においても、同様の問題が起きていないか、早急に調べる必要がある。
今回の問題が隠蔽された背景には、関電が株主や電力を利用する消費者のことを全く考慮せず、所轄官庁である経済産業省の顔色だけをうかがって経営していた実態があるのではないか。関電の経営陣は、自身が社長、会長職にある間に、経産省や関係当局から経営上の問題があると認識されたくない。そのため問題を隠蔽し、さらに歴代の経営者でその状況が続いてしまったのではないか」