【ワシントン=大内清】11月の米大統領選に向けた民主党の候補指名争いは17日、南部フロリダ州など3州で予備選が行われ、米メディアによると中道穏健派のバイデン前副大統領(77)が大票田である同州と中西部イリノイ州での圧勝を確実にした。バイデン氏は獲得代議員数で急進左派のサンダース上院議員(78)を突き放し、指名獲得に大きく前進した。
バイデン氏は17日夜にテレビ演説し、「今日の結果により指名にまた近づいた」と指名獲得に向けた自信をみせた。また、サンダース氏の支持者に向けて「あなたがたの声に耳を傾けている」と語りかけ、本選に向けて党内の結束を固めていく姿勢を示した。
バイデン氏は、フロリダ州(一般代議員数219)でサンダース氏に3倍近い得票差をつける見通し。サンダース氏は同州での巻き返しを狙ったものの、キューバのカストロ政権を肯定的に評価した過去の発言が、反カストロ感情が根強い同州のキューバ系住民らの反発を呼んだとみられる。
バイデン氏は、イリノイ州(同155)でもサンダース氏に大差をつける勢いをみせている。事前の世論調査によれば、西部アリゾナ州(同67)でも優勢に選挙戦を進めているもようだ。
この日は中西部オハイオ州(同136)でも予備選が予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため6月2日に延期された。