指名争いのサンダース氏が選挙運動「見直し」 撤退が現実味増す 米大統領選





17日、インターネット上で、新型コロナウイルス対策について語るサンダース米上院議員=ワシントン(ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】11月の米大統領選に向けた民主党候補指名争いで劣勢に立たされているサンダース上院議員(78)の陣営幹部は18日、サンダース氏が次回の予備選までに「選挙運動の見直し」に向けて支持者らと協議を進める方針を明らかにした。陣営はフェイスブック上での選挙広告の展開を同日から中止するなど戦線を縮小させており、同氏の撤退が現実味を増してきた。

 サンダース陣営のシャキル選対本部長は18日、サンダース氏が南部フロリダ州など3州で前日に行われた予備選で対立候補のバイデン前副大統領に(77)敗れたのを受けて声明を発表し、「われわれは思想闘争では勝利したが、どちらが(本選でトランプ大統領を破って)当選できるかをめぐる戦いでは負けている」との認識を表明した。

 その上で「次の予備選は少なくとも3週間先だ」とし、その間にサンダース氏が支持者らと話し合って今後の対応を決める方針だと説明した。

 次回は4月4日にハワイ州(一般代議員数24)、アラスカ州(同15)で予備選が、西部ワイオミング州で党員集会(同14)が予定されている。3月29日には米領プエルトリコ(同51)でも予備選が行われる。

 別の選対幹部がロイター通信に語ったところでは、フェイスブック広告の中止は「選挙資金の節約が目的」としており、サンダース氏の党候補指名の見通しが厳しくなったのを受けて政治献金が減り、資金繰りが苦しくなっている可能性が浮き彫りとなった。

 ただ、サンダース氏の支持勢力の間では、たとえ勝てなくても最後まで指名争いを戦い抜き、7月の民主党全国大会で採択される党の政策綱領に急進左派的な内容を盛り込ませるよう影響力を行使すべきだとの意見も出ているという。

 一方、共和党候補指名争いに参戦していたウェルド元マサチューセッツ州知事(74)は18日、再選を目指すトランプ大統領(73)が17日に共和党候補指名を確実にしたのを受けて撤退を表明した。



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