新型コロナ 感染したジョンソン英首相、テレワークで指導力





ジョンソン英首相(AP)

 【ロンドン=板東和正】新型コロナウイルスに感染したジョンソン英首相は27日、トランプ米大統領と電話会談を行い、通常通り公務を行う姿勢をアピールした。英国内で、政府の新型コロナ対応を統括する立場にある首相の感染によって動揺が広がる中、ジョンソン氏はテレビ会議を通じた「テレワーク」で指導力を発揮しようとしている。

 英首相官邸によると、トランプ氏はジョンソン氏に対し、早期回復を望んでいると伝えた。両首脳は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)に打ち勝つために緊密に協力することで合意したという。

 ジョンソン氏は会談に先だち、自身のツイッターで新型コロナに感染したことを発表。スーツ姿で国民に語りかける動画を投稿し、テレビ会議で政府の対応を主導すると訴えた。「現代のテクノロジーのおかげで、新型コロナに反撃する戦いを指揮するために各方面とコミュニケーションを取り続けられる」と自信を見せた。

 一方で、ジョンソン氏は27日、英政府が連日開催している新型コロナの国内の感染状況などを発表する記者会見は欠席した。記者からは、ジョンソン氏の今後の公務に影響が出ないか懸念する声が上がった。

 記者会見に出席したゴーブ内閣府担当相は「ジョンソン氏は軽度の症状しかない」と強調。ジョンソン氏が同日、新型コロナの医療対策についてNHS(英国の国民保健サービス)の関係者らとテレビ会議で協議する公務を行ったことを明らかにした。

 ただ、与党・保守党の元議員は「今後、体調が悪化すれば、公務に支障が生じることは避けられない」と予想している。

 首相官邸の報道官は23日、ジョンソン氏が深刻な体調不良になった場合には、ラーブ外相が首相の職務を代行すると発表していた。ラーブ氏は強硬な欧州連合(EU)離脱派として知られ、ジョンソン氏からの信頼が厚いとされる。今後のジョンソン氏の健康状態によっては、ラーブ氏がジョンソン氏の代わりに公務を行う可能性もある。



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