東日本大震災で甚大な被害が出た宮城県で、最後まで残った石巻市鮎川地区の仮設商店街「おしかのれん街」が31日、閉鎖した。被災した事業者向けに建てられた仮設店舗はピーク時、県内で550店舗に上り、被災者の生活を支えた。最終営業日に駆け付けた人々は「お世話になった」とさみしそうにつぶやいた。
同市雄勝町の「おがつ店こ屋街」も全店舗退去に伴い、30日に閉鎖式を実施。両商店街は震災約8カ月後の平成23年11月に完成し、飲食店や生活雑貨店が営業していた。
鮎川地区には観光物産施設「Cottu」が昨年10月、オープン。雄勝町にも4月に新施設が整備されるため3月末での閉鎖が決まり、各事業者は施設への移転や廃業を選んだ。