伊藤忠、新入社員を会長と社長が“お出迎え” 中止の入社式に代わりサプライズ





新入社員を歓迎する伊藤忠商事の鈴木善久社長(左)と岡藤正広会長=1日午前、東京都港区(松井英幸撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大によって、多くの企業で、入社式の中止や延期が相次ぐ中、伊藤忠商事は1日、入社式の代わりに岡藤正広会長、鈴木善久社長が東京都港区の本社玄関で新入社員を出迎えるイベントを実施した。事前には知らされていないサプライズだったため、いきなりの経営トップとの対面に驚いた新入社員もいた。

 本社玄関にはライトアップされた桜の花が飾られた。午前8時、マスク姿の岡藤、鈴木両氏が並び、5メートル程度の間隔をあけ、入ってくる新入社員を拍手で迎えた。約10分間かけて120人の新入社員全員とあいさつした。

 同社では全体が集まる入社式は行わず、新入社員はその後、配属される部門ごとに分かれ、社員証、パソコンなどを支給され、昼食後に帰宅するという。当面は在宅でウェブ形式での社員研修を受ける予定だ。

 今回の企画を発案した岡藤会長は「新入社員は新社会人になったことで気持ちも高まっている。在宅勤務の環境の中でもその意欲を維持してもらえるよう、精いっぱいお祝いとして取り組んだ。こんな暗い時期だからこそがんばってもらいたい」とエールを送った。

 採用担当者は「内定段階から連絡を取っており、3月初めからは、社員同様に不要不急の旅行などをしないよう自粛を求めてきた」と説明。同時に、2週間前から体温検査などで体調を管理するなど、感染拡大防止の取り組みを行ってイベント開催を決めたという。



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