自民、公明両党は2日、与党税制協議会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する税制支援策を取りまとめた。企業向けでは2月以降、1カ月間の売上高が前年に比べ2割以上減少した企業への法人税などの納付期限の延長や、3カ月間の売上高が5割以上減った中小企業の固定資産税の減免が柱。個人向けでは住宅ローン減税の特例措置の要件緩和などを決めた。これらの措置を政府・与党が7日にもまとめる緊急経済対策に盛り込む。
売上高が減少した企業には税金の納付を1年間猶予し、延滞税や担保を免除。赤字企業に対しては過去に納めた法人税を払い戻す措置の対象を、従来認めてきた資本金1億円以下の中小企業から、10億円以下の中堅企業まで拡大する。
また、令和3年度課税の1年分に限り、中小企業の設備や建物にかかる固定資産税を減免する。2~10月の3カ月間の売り上げが前年同期比で30~50%未満減少した企業には半額を、50%以上減少した企業には全額を免除する仕組みだ。
このほか、テレワーク(在宅勤務)に必要なテレビ会議用の機器などを導入した中小企業には、設備投資額のうち最大で10%分を法人税から差し引く。
個人向けでは、今年の年末までに入居しなければ受けられない住宅ローン減税の特例措置の条件を緩和。住宅設備の納入遅れなどを考慮し、新築の場合は9月末までに、中古住宅などの場合は11月末までに契約していれば、入居期限を来年末まで1年延長する。
自動車の購入時に燃費に応じて最大3%かかる「環境性能割」は、1%分の軽減措置の期限を9月末から半年間延ばす。中止となったイベントのチケット代金を購入者が払い戻しを求めなかった場合は寄付とみなし、所得税などから差し引く。