自民党税制調査会は3日、総会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた企業や家計の負担を軽減する税制支援策を正式に決定した。売上高が激減した企業の納税猶予などが支援の柱となる。だが、総会では一部の議員から消費喚起のため消費税の減税まで踏み込むべきとの要望が相次いだ。これに対し、甘利明税調会長は総会後、記者団に「消費税は軽々にいじるつもりはない」と強調、改めて消費税減税を否定した。
甘利氏は「財政は出動や停止を臨機応変にできるが、消費税は上げたり下げたりするのが極めて難しい税」と説明。消費税の財源が社会保障費に充てられていることを指摘した上で、「社会の安定の土台を削るということはふさわしくはない」と述べた。
総会では、若手議員を中心に「消費税は赤字企業にも課税を強いている」などと消費税率の引き下げを求める声が相次いだ一方、「消費税は社会保障の貴重な財源であり、下げるべきでない」といった意見も多く、主張は対立した。
また、今回の税制支援の財源について、甘利氏は「財政再建を一時据え置く」とし、赤字国債の発行で確保する考えを示した。