3月に東京都内の道路で発生した渋滞の長さを示す数値が前年同期比で約15%減少したことが6日、警視庁への取材で分かった。新型コロナウイルスの影響で外出自粛の傾向が強まり、車両利用が控えられたためとみられる。ただ、同月下旬の3連休初日は前週の日曜の5倍近くに急増。「緩み」が生じていた状況がうかがえる。
警視庁交通管制課によると、23区内の一般道約2千キロメートルを対象に、3月中に発生した渋滞の長さを示す「渋滞距離」を調べたところ、1時間平均の数値が前年同時期(91・4キロメートル)の約15%減となる78・4キロメートルとなった。
ただ、下旬の3連休(20~22日)の初日に当たる20日の渋滞距離は107・4キロメートルで、前週の日曜日である15日の23・9キロメートルに比べて5倍近くに跳ねあがった。3連休の初日は通常、渋滞距離が増加する傾向にあるが、警視庁関係者は「それを差し引いても高い数値だ」と指摘する。
当時は、都内で確認される新型コロナウイルスの感染者数が減少していた時期。「(人が密集する)電車などの公共交通機関は避け、レンタカーなどを利用して移動したケースが特に多かった印象」(同関係者)といい、感染防止への意識が薄まっていたことが、交通量の増加につながっていたことが読み取れる。
その後、小池百合子都知事が25日に週末(28、29日)の外出自粛を要請すると同期間の渋滞距離は18・3キロメートルまで落ちたという。