新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、首都圏などで外出自粛が求められる中、ケーブルテレビのJ:COMで番組を選んで購入できるサービスの「J:COMオンデマンド」の利用者が増えていることが分かった。在宅時間が長くなっていることが関係しているとみられる。
同社によると、例年3月は春休み時期とも重なることなどから、「J:COMオンデマンド」の利用者が増える傾向にあるという。ただ、昨年は2月と3月の比較で利用者が15%増えたのに対し、今年は同じ比較で利用者は18%増え、昨年を3ポイント上回った。「他に増える要因も見当たらず、コロナウイルス感染拡大で外出自粛があった影響があるとみられる」という。
「J:COMオンデマンド」は、「J:COM TV」などのサービスに加入すると、好きなコンテンツを選んで一定料金を払い、好きな時間に視聴できるサービス。現在、約9万本のコンテンツを配信中といい、洋画や邦画、国内外のドラマ、アニメなど、多彩なジャンルがある。コンテンツごとに料金を払うタイプのほか、定額見放題で楽しめるサービスもある。
視聴が増えたコンテンツについて、同社では具体的なタイトルは明かしていないものの、「ジャンル別では、2月との比較で、アニメや邦画が増えた」という。休校措置が取られた児童や生徒などが視聴者となった可能性があるほか、3月下旬からは、首都圏などの外出自粛要請で、休館する映画館なども出ており、その代わりとして、自宅で邦画を楽しむ層がいたことも考えられる。
外出自粛要請は長引く可能性もある。また、学校再開のずれ込みも次々に決まっており、オンデマンドサービスの需要はしばらく続きそうだ。(兼松康)