ドイツのメルケル首相は6日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大による域内の被害が深刻な欧州連合(EU)について「発足以来、最大の試練に直面している」と述べ、死者が急増したイタリアやスペインを念頭に、加盟国の財政支援に賛成する考えを示した。欧米メディアが伝えた。
財政支援に関して、2008年のリーマン・ショック後に本格化した欧州債務危機を受けてできたユーロ圏の金融安定網「欧州安定メカニズム(ESM)」の基金を使用する。イタリアやスペインは加盟国共通の「コロナ債」を発行する構想に積極的だが、米ブルームバーグ通信によると、メルケル氏はこれを支持するかどうかは明らかにしなかった。
欧州債務危機の際、財政危機に陥ったギリシャ支援をめぐってメルケル氏は過剰な負担に抵抗した経緯がある。(共同)