トランプ氏「WHOは中国寄り」 拠出金削減を検討 新型コロナ



不快感を示すトランプ米大統領=4月6日、ホワイトハウス(ロイター)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は7日、ホワイトハウスでの記者会見で、世界保健機関(WHO)による新型コロナウイルスへの対応に関し「非常に中国寄りだ」と批判し、米国からのWHO拠出金の凍結または削減を検討すると表明した。

 トランプ氏は、新型コロナを「中国ウイルス」と呼び続け、中国共産党体制による「ウイルスは米軍が湖北省武漢市に持ち込んだ」とするディスインフォメーション(偽情報)工作の封じ込めに事実上成功した。拠出金削減への言及は、中国がWHOを利用して新型コロナ対策に関し自国に都合の良い方向に情報操作を展開している問題に切り込む姿勢を示したものだ。

 トランプ氏は記者会見で、米政権が1月に中国からの外国人の入国制限措置を実施したことに対してWHOが「感染拡大防止に効果的でない。経済的、社会的影響も大きい」と否定的な立場を示したことに関し、「WHOは私の判断を批判したが、彼らの方が間違っていた。彼らはいつも間違ってきた」と非難した。

 トランプ氏はその上で、「WHOは米国から巨額の拠出金を受けている。それなのに中国寄りの態度を取るなら拠出金の在り方を検討する」と述べ、拠出金の削減や凍結もあり得るとの立場を打ち出した。

 米メディアによると米国はWHOへの最大の資金拠出国で、2017年はWHOの年間予算の約4分の1に相当する約5億ドル(約544億円)を拠出した。

 トランプ政権は、WHOのテドロス事務局長らが当初、中国の意を呈する形で「人から人への感染はない」などと事態を過小評価する発表を繰り返す一方、中国当局による「感染の拡大を押さえ込んだ」とする真偽の疑わしい統計数字を根拠に中国政府の取り組みを称賛しているとして、追及する姿勢を強めている。



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