【ワシントン=塩原永久】トランプ米大統領は7日の記者会見で、中小企業の資金繰り支援に充てる予算を2500億ドル(約27兆円)増額する意向を明らかにした。先月成立した経済対策では、給与払いに充てる場合は返済を免除する中小融資制度に約3500億ドルを計上した。同制度に企業からの申し込みが殺到しており、増額を検討する。米政府は週内にも議会の承認を得たい考えだ。
トランプ氏は同制度が事業者に「大変な人気となっている」と述べ、議会に増額を求める方針を示した。
ムニューシン米財務長官は増額について、議会与野党と調整に入った。融資制度は3日に受け付けを開始したが、すでに約3500億ドル枠の1割余りが埋まった。
先月27日に成立した約2兆2千億ドルの経済対策は、従業員500人以下の企業が雇用を維持するため、8週間以内の給与払いや家賃を使途とする借り入れについて、一定の条件のもと返済を免除する資金繰り支援策を盛り込んだ。
感染症対策として実施された外出禁止の影響で、経済活動が大幅に停滞。全米で失業者が急増し、雇用維持を目的とする政府の中小支援策の拡充を求める声が一段と高まっている。