【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選の民主党候補指名を争っていた急進左派のサンダース上院議員(78)は8日、選挙戦からの撤退を表明した。11月3日に実施される大統領選の本選は、共和党現職のトランプ大統領(73)と、民主党候補指名を確実にした中道穏健派のバイデン前副大統領(77)の対決になる。
サンダース氏は8日、陣営のウェブサイトを通じて演説し、「勝てる見込みのない戦いを続けることはできない」と述べるとともに、本選ではトランプ氏の再選阻止に向けバイデン氏に協力すると表明した。
一方で、サンダースは残り約20州での予備選・党員集会の候補者名簿に自身の名前を残し、「可能な限り多くの代議員獲得を目指す」と強調した。バイデン氏が自身の公約に左派の政策を取り入れるよう影響力を行使する狙いがある。
サンダース氏は2016年の前回大統領選に続き候補指名争いに挑戦。「国民皆保険」や公立大学授業料無償化などの公約で若者層の支持を集め、一時は最有力候補と目された。だが、左派的な主張は穏健派の支持者に受け入れられず、2月末以降の予備選・党員集会で敗北が続いていた。