東京メトロと東急電鉄、緊急事態宣言翌日の利用客が前年比6割減





渋谷駅の混雑状況が分かる東京メトロの専用サイト
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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令翌日の東京メトロの利用客が前年比60%減だったことが分かった。東京と郊外を結ぶ東急電鉄でも利用者が前年比で約6割減少。外出自粛や在宅勤務(テレワーク)が浸透していることが浮き彫りとなった。(大竹直樹)

 東京メトロによると、小池百合子東京都知事が緊急記者会見(3月25日)で外出の自粛などを呼びかけてから約1週間後の今月2日は前年比41%減。土曜の4日は同70%減、日曜の5日は同75%減と激減した。不要不急の外出を控えた人が多かったとみられる。

 緊急事態宣言発令翌日の8日は午前7時~7時半の通勤時間帯は同29%減だったが、ピーク時を過ぎた8時半~9時は61%減と大幅に減少した。東京メトロでは、渋谷駅の改札付近に設置されたカメラ映像を自動的に解析し、駅の混雑状況を「見える化」する実証実験を実施。ほぼリアルタイムでスマートフォンのアプリや専用のサイトで混雑度を配信するサービスが3月30日から始まったばかり。

 映像は個人のプライバシーを保護する加工処理を施したうえで、混雑度のグラフと一緒に表示される。その混雑度グラフによると、通勤時間帯は過去の平均値をわずかに下回る程度だったが、日中の時間帯はほぼ半減していた。

 東急電鉄でも同様の傾向がうかがえる。東急線全駅の利用者は今月1日の利用者は前年で約4割減。緊急事態宣言発令翌日の8日は約6割減となった。

 同社は各駅の混雑状況だけでなく、電車の混雑度も各車両ごとに「東急線アプリ」に配信。同社の担当者は「空いている車両や駅の混雑状況をアプリで事前に確認し、感染防止に役立ててほしい」と話す。集団感染につながりかねない「3密」(密閉、密集、密接)を避けるためにも有効だ。

 鉄道評論家の川島令三氏は「混雑する車両はいつも決まっている。『3密』を防ぐためには、比較的空いていて停車駅が多く外気が取り込まれやすい各駅停車の利用も考えるべきだ」と話している。



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