新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急経済対策で、政府が減収世帯などへの30万円給付から、令和2年度補正予算案の組み替えによる1人当たり一律10万円給付へと方針を転換したことについて、麻生太郎財務相は17日、記者会見で「スピードをもってやるのが一番大事」と語り、5月の給付実現を目指す考えを示した。また、一方的に支給するのではなく、「要望される方、手を挙げる方に配る」と追加で必要となる財源は国債でまかなわれるとの考えを示した。
現金給付をめぐっては、政府は7日に閣議決定した補正予算案で、大きく減収した世帯を対象に30万円の給付を決めていた。ただ、給付対象が全世帯の2割にとどまることや、受給手続きが煩雑なことへの批判が根強かった。麻生氏は「財務省として検討状況を見守りつつ、適切に対応していきたい」と述べた。
10万円の一律給付は公明党から強い要請があった。また、自民党内からも二階俊博幹事長が所得制限をつけた上での給付を訴えたほか、一部の若手議員からも要望があった。
麻生氏は今月3日の会見で、リーマン・ショック後の平成21年、自身の首相在任時に実施した、全国民を対象に所得減少などの要件を設けない1人当たり1万2千円の「定額給付金」について、「失敗だったとつくづく反省している」と述べていた。