調停合意後も見直し可能 国際間の子の返還、最高裁


 国際結婚した夫婦の一方が子供を無断で日本に連れ帰り、後に夫婦間の調停で子供を元の居住国に帰すと合意したのに「事情が変わった」との理由で、合意を見直せるかどうかが争われた裁判の決定で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は、可能だとする初判断を示した。16日付。

 ハーグ条約では無断で連れ去られた子供は元の居住国に帰すのが原則。ただ子供自身の事情などで、元の国に戻ることが心身に悪影響を及ぼすこともあり得る。裁判ではロシア人男性と結婚した日本人女性が、子供をロシアから日本に連れ帰ったケースが争われた。男性が条約に基づき返還を申し立て、調停で子供をロシアに戻す合意が成立したが、子供が「行きたくない」と訴えたため女性が調停の不成立を求めた。

 第1小法廷は事情によっては合意を見直せると判断。「調停による合意は変更できない」との理由で女性の訴えを退けた2審東京高裁決定を破棄し、審理を高裁に差し戻した。



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