盗品自転車「元の場所に戻せ」　警部補が犯人隠避容疑

　盗んだ自転車を元の場所に戻すよう容疑者の男に伝え、窃盗事件としての捜査を怠ったとして、埼玉県警は２４日、犯人隠避の疑いで、吉川署地域課の男性警部補（５８）を書類送検し、停職３カ月の懲戒処分とした。警部補は「処理するのが面倒だった」と容疑を認め、同日付で依願退職した。

　書類送検容疑は昨年１１月２２日、吉川市内で万引した男を取り押さえた店舗の関係者から事情を聴いた際、男の自転車が盗品だと知らされながら、男に「元の場所に戻しておけ」と伝え、捜査をしなかったとしている。

　県警によると、万引については店舗の意向で逮捕せず、署に報告した。

　男は同３０日、三郷市で県警自動車警ら隊に職務質問された際、同じ盗品の自転車に乗っており、窃盗の疑いで逮捕された。調べの中で、警部補の犯人隠避容疑が浮上したという。