新型コロナ 感染防止と治安どう両立? 署員半数“離脱”の兵庫県警、対策本格化





新型コロナの感染拡大防止のため庁舎前にテントを立てて業務に当たる神戸西署=神戸市西区
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 新型コロナウイルスの感染拡大は警察の業務にも影響を及ぼしている。14人が感染した兵庫県警では、職員の密集を避けるため在宅勤務を導入し、事件や事故の初動対応に不可欠な通信指令部門でも非常時を想定した訓練が始まった。いざというときに多数の警察官が出動できない事態は避けねばならず、治安維持を図る上でも感染の拡大防止が急務となっている。

 県警では4月7日に神戸西署(神戸市西区)で初めて感染者が確認され、署員の感染は署長を含む12人にまで拡大。県警は応援を派遣して署の業務を維持したが、一時は署員約320人の半数弱に当たる約140人が通常勤務を“離脱”し、自宅待機となった。

 県内の110番通報を一手に集約する県警本部の通信指令室。パトカーの位置を表示した大型モニターの前で、専門の警察官が事件や事故に関する通報を順次聞き取り、パトロール中の警察官に通報内容や現場の状況を無線で伝えている。

 県警によると、昨年の110番受理件数は約47万件で、秒単位で換算すると67秒に1回のペース。3交代制で、一度に20人が24時間の当直勤務に入るが、機能を完全に代替できる施設は県内にはない。また、現場を目撃した通報者が混乱したまま電話をかけてくることも多いため、「内容を正確に聞き取り警察官に指示を出すには相当な訓練が必要」(県警幹部)という。

 県警では通信指令機能の維持を、新型コロナ対策上の最優先課題の一つととらえ、7日の緊急事態宣言発令前から、室内の感染者発生を想定。非常時には現在の3交代制から2交代制に変更し、別の部署へ異動した経験者に一時的な応援を求めることも検討している。県警幹部は「初動を誤れば事件や事故の被害が拡大しかねない」と語る。

 業務体制の見直しは、殺人や強盗といった重大事件を取り扱う県警本部の刑事部門にも及ぶ。

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